3. データのアップロード方法

3-1 | DXFデータをアップロードする

EMARFのDXFアップロード機能を使うと、DXFと呼ばれるデータ形式(2Dデータのみ対応)の設計データをEMARF上にアップロードすることで、その形状のとおりに木材を加工することができます。

対応する設計ソフト(代表例)

DXF形式のデータの書き出しに対応した代表的なCAD/デザインソフトには、以下のものがあります(記載していないものでも、DXFデータ書き出しに対応していれば問題ありません)。

  • Adobe Illustrator

  • Jw_cad

  • Rhinoceros

  • Vectorworks

  • AutoCAD

  • Fusion 360

  • SketchUp  etc...

※SketchUpについては注意事項がありますので、後段の章をご覧ください。

※DXF書き出し時には必ず「テキスト方式」で書き出すようにしてください。「バイナリ方式」の場合は正しくアップロードできません。

基本的な使用方法

①DXFファイルを準備します。Upload可能なファイルの条件として3点あります。

1.閉じた線であること

2.内側の線がはみ出していないこと

3.ポケット加工などの掘り込みをする場合はエンドミル径が入るサイズの線であること

4.「テキスト形式」で保存されていること(バイナリ形式には対応していません)

②ログイン後プラグインDLの下にあるDXF Uploadを押します。

③アップロード画面に切り替わるのでファイルを選択またはドラッグアンドドロップしてください。

④プルダウンメニューから板の厚みを選択し、完了を押します。

以降の操作は、Web画面の操作方法の章を参照ください。

ポケット加工(貫通させない加工)の場合の使用方法

DXFアップロード機能では、レイヤ名を指定の方法に従って編集することで、貫通させない加工(ポケット加工)を行うことができます。

以下それぞれの形状のパターンの場合の、レイヤ名の指定の仕方について説明します。例としてAdobe Illustratorを使用していますが、基本的にはどの設計ツールでも変わりません。

①単一のポケットの場合

【イメージ】

【手順】

  1. 「po○○mm」という文字をタイトルに含めたレイヤーを作成する(○○には彫りたい深さを板厚を超えない範囲で入力、その他の文字が含まれていてもOK)

  2. ポケット加工をしたい部分の外形線を、上記で作成したレイヤーに割り当てる

例:12mmの深さのポケットを作成したい場合

②ポケットの内側を切り抜きたい場合

【イメージ】

【手順】

  1. ①の手順に従い、任意の深さのポケットのパスを作成する

  2. 1.で作成したポケットの内側に、切り抜きたい形状のパスを作成する(レイヤー名にpo○○mmがないと、すべてその内側は切り抜く加工として認識される)

例:12mmの深さのポケットの内側を、任意の形状で切り抜きたい場合

③ポケットの内側にポケットがある場合

【イメージ】

【手順】

  1. ①の手順に従い、任意の深さのポケットのパスを作成する

  2. 1.で作成したポケットのパスの内側に、任意の形状のパスを作成する

  3. 「po○○mm」という文字をタイトルに含めたレイヤーを作成する

  4. 3.で作成したレイヤーに、2.で作成したパスを割り当てる

例:12mmの深さのポケットの内側に、16mmの深さのポケットを作成したい場合

④ポケットの内側に島形状を残したい場合(島ポケット)

【イメージ】

【手順】

  1. ①の手順に従い、任意の深さのポケットのパスを作成する

  2. 1.で作成したポケットのパス内側に、島状に残したい形状のパスを作成する

  3. 「po0mm」という文字をタイトルに含めたレイヤーを作成する

  4. 2.で作成したパスを、3.で作成したレイヤーに割り当てる ※0mmの深さのポケット=削らずにそのまま残すと理解するとわかりやすい

例:12mmのポケットの内側に、島形状を残したい場合

注意事項・トラブルシューティング

  • DXF以外のデータはアップロードできません。

  • 2Dパスのみを含むDXFデータにし、3Dパスや面(Solid)を含まないようにしてください。

  • 線は閉じた線(線の始点と終点がつながっている線)にしてください。

  • 繋がっている線同士は必ず連結させる必要があります。

  • ポケットの線は外形線にちょうど重なるか外形線よりも内側に配置してください。

  • パーツは規定の板サイズに収まる大きさにしてください。具体的な板サイズはドキュメントで確認することができます。

  • 外形線よりも内側にある線のうち、ポケット指定のない線は切り抜き線として認識されます。

  • フィレットは作成する必要があります。

SketchUp利用時の注意事項

SketchUpの場合、DXFデータとして書き出す際にいくつかの注意事項があります。

①モデル寸法の確認

モデル寸法をチェックし、単位がミリメートルとなるようにしてください。 なお別ソフト等からインポートしたデータはよくここがミリメートル以外になっていることがあるので注意です。

②人型のテンプレートモデルを削除する

新規作成時にデフォルトで入っている人型のモデルは削除するようにしてください。

また、その他不要なモデルや送信できない3Dのモデルなどが含まれている場合は消してから書き出すようにしてください。

③面を必ず削除する

閉じたパスを作成すると自動的に面が張られますが、こちらは必ず削除するようにしてください。

④コンポーネントを削除する

コンポーネントが含まれている場合は必ず削除するようにしてください。

⑤書き出し時は必ず3Dエクスポートをする

書き出しの際にはファイル>エクスポート>3Dエクスポートを必ず選ぶようにしてください(間違いやすいです)。

⑥ポケット加工の場合は、レイヤーの代わりにタグを使って設定する

ポケット加工の場合は、レイヤーではなくそれに相当するタグを使って設定をするようにしてください。

⑦ポケット加工部分のパスが他のパスと接する場合はZ軸をずらす

ポケット加工部分のパスが他のパスと接する場合、接している部分のパスが結合され消えてしまう(閉じないパスになってしまう)ので、その場合はそのパスのZ軸をほんの少し上にずらして、被らないようにしてください。

具体的には下記のようなパターンがあります。

a.外周と1つの長方形のポケットが接している場合

b.内側で2つの長方形のポケット加工が接している場合

c.外側で2つの長方形のポケット加工が接している場合

3-2 | プラグインからアップロードする

Winowsでのプラグインインストール方法

Rhinoceros

対応バージョン:Rhinoceros6,7 機能:接合部生成 / 平面展開 / オフセット / フィレット / CAM

チュートリアル動画

Windows版

  1. 事前にRhinocerosを最新版にアップデートします。

ファイル>>プロパティを押します。

ドキュメントのプロパティ>>更新と統計より新しいバージョンかどうかを「今すぐ確認する」を押して確認します。

2. ウェブサイトよりプラグインインストーラー(.rhiファイル)をダウンロードします。

インストーラーを起動し、インストール先を指定して「次へ」をクリックします。「インストールが正常に完了しました」のメッセージが表示されたら、インストーラーを終了します。

3. Rhinocerosを起動します

Fusion360

対応バージョン: 機能:フィレット(外部プラグインを利用する場合〇)/溝ぼり・ポケット加工 / CAM

Windows版(Mac版もチュートリアル動画を準備中ですが、基本的にはwindowsと同じです)

インストール手順

1. ウェブサイトよりプラグインインストーラー(.msiファイル)をダウンロードします。

2. インストーラーを起動し、インストール先を指定して「次へ」をクリックします。「インストールが正常に完了しました」のメッセージが表示されたら、インストーラーを終了します。

以上でWindows版プラグインのインストールは完了です。

3. Dogboneフィレットの外部プラグインもインストールしておきましょう。

Fusion360には既にフィレット機能がプラグインとして既に開発され、誰でもダウンロードできるように公開されています。(フィレットとは...?

こちらからダウンロードできます。

※なお、以下のプラグインに関してVUILDでは開発を行っておりません。そのため、不具合の報告に対する対応はできかねます。

extractを押してダウンロードします

4.. Fusion360 を起動します

※外部のソフトで作ったファイルをFusion360で開いて編集すると、送信しても破損したファイルで送信されてしまう問題があります。そのため、最初からFusion360でモデリングしたもののみご利用ください。

Macでのプラグインインストール方法

Rhinoceros

対応バージョン:Rhinoceros6,7 機能:接合部生成 / 平面展開 / オフセット / フィレット / CAM

チュートリアル動画

  1. 事前にRhinocerosを最新版にアップデートします。

ファイル>>プロパティを押します。

ドキュメントのプロパティ>>更新と統計より新しいバージョンかどうかを「今すぐ確認する」を押して確認します。

2. ウェブサイトよりプラグインインストーラー(.rhiファイル)をダウンロードします。

インストーラーを起動し、インストール先を指定して「次へ」をクリックします。「インストールが正常に完了しました」のメッセージが表示されたら、インストーラーを終了します。

3. Rhinocerosを起動します

Fusion360

機能:フィレット(外部プラグインを利用する場合〇)/溝ぼり・ポケット加工 / CAM

(Mac版もチュートリアル動画を準備中ですが、基本的にはwindowsと同じです)

インストール手順

1. ウェブサイトよりプラグインインストーラー(.msiファイル)をダウンロードします。

2. ウェブサイトよりプラグイン(.zipファイル)をダウンロードします。ZIPファイルを解凍するとEmarfCAMという名前のフォルダが出てきます。

3. Finderで~/Library/Application Support/Autodesk/Autodesk Fusion 360/API/AddInsを開き、EmarfCAMフォルダをAddinsの中に配置します。

以上でMac版プラグインのインストールは完了です。

Libraryフォルダはホームフォルダの直下にあります。Libraryフォルダが見つからない場合はFinderのデスクトップメニューバーから、Optionを押しながら Go (移動) を開くとLibraryフォルダを見つけることができます。

3. Dogboneフィレットの外部プラグインもインストールしておきましょう。

Fusion360には既にフィレット機能がプラグインとして既に開発され、誰でもダウンロードできるように公開されています。(フィレットとは...?

こちらからダウンロードできます。

※なお、以下のプラグインに関してVUILDでは開発を行っておりません。そのため、不具合の報告に対する対応はできかねます。

extractを押してダウンロードします

4.. Fusion360 を起動します

※外部のソフトで作ったファイルをFusion360で開いて編集すると、送信しても破損したファイルで送信されてしまう問題があります。そのため、最初からFusion360でモデリングしたもののみご利用ください。

トラブルシュート(Rhinoceros)

MacでプラグインをDLしようとすると「開発元が未確認のため開けません」というエラーが出る場合

こちらをお試しください

インストールはできたが、Rhinoを起動すると「ロード中にエラーが発生しました」というメッセージが表示される

以下に示す二つの解決方法を試してみてください。

方法1

  • コマンドからPlugInManagerを開きます。

  • 「インストール」ボタンをクリックします。

  • C:/Users/ユーザー名/AppData/Roaming/McNeel/Rhinoceros/8.0/Plug-ins/EmarfCAM (unique-id)の中に入っている EmarfCAM.Windows.rhp を選択します。

  • 無事ロードできたら解決です。

方法2

  • Rhinoを閉じます。

  • /Users/ユーザー名/AppData/Roaming/McNeel/Rhinoceros/8.0/Plug-ins/EmarfCAM (unique-id)を削除します。

  • レジストリエディタを開きます。

  • HKEY_CURRENT_USER/Software/McNeel/Rhinoceros/8.0/Global Options/unique-idを削除します。

  • HKEY_CURRENT_USER/Software/McNeel/Rhinoceros/8.0/Plug-Ins/unique-idを削除します。

  • rhiファイルを起動してもう一度プラグインをインストールします。

  • Rhinoを起動して無事ロードできたら解決です。

unique-idは 12f6b7a6-bcdb-11ea-8a78-f01898f17bfa のような文字列になっています。

Rhino7を使っている場合はパス内の8.0を7.0に読み替えてください。

インストールツールバーが出てこない場合

Windows版

方法1:

  • Rhinocerosの更新を確認して最新版をダウンロードしてください。

方法2:

以下の手順を踏んでみてください。

  1. インストーラファイル(rhi)をダブルクリックしてプラグインを6, 7用にインストール。

  2. Rhinoでプラグインがうまくロードされてない、あるいはツールパレットが表示されていない場合はPluginManagerコマンドでプラグインマネージャー開いてEmarfCAMがあるか確認する。

  3. EmarfCAMがあればLoadのチェックボックスがオンになっていることを確認する。

  4. EmarfCAMがない場合、一度Install Pluginボタンを押して下記のディレクトリ内にあるEmarfPluginフォルダの中のrhpファイルを選択してインストールする。 C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\McNeel\Rhinoceros\7.0\Plug-ins/EmarfCAM

  5. EmarfCAMがプラグインマネージャーに表示されてLoadがされている状態を確認できたらRhinoを終了する。

  6. 下記のディレクトリ内にあるEmarfPluginフォルダを削除する。 C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\McNeel\Rhinoceros\7.0\Plug-ins

  7. 再度rhiファイルでプラグインをインストールする

Mac版

以下の手順を踏んでみてください。

  1. macrhiをzipにして解凍する。

  2. rhpファイルが入っています。

  3. フォルダ名のrhp拡張子を取り除くとフォルダに変わります。

  4. そのフォルダに入っているruiをWindows版と同じように読み込ませます。

もしパレットが表示されない場合は、一回プラグインに入っているコマンドをどれでも良いので一回起動し、スクショのメニューからパレットを表示してください。

ポケット加工を設定したが、アップロードすると切り抜き加工に変わってしまう

データアップロード時、それぞれのオブジェクトが重ならないように配置されていることをご確認ください。(図1)

オブジェクトが一箇所にまとまった(重なった)状態でアップロードすると、加工の設定が変わってしまうことがあります。(図2)

最終更新